コーヒーはカフェインだけじゃない、見落とされがちな“身体にいい成分”
こんにちは。ICHORA+代表の加々村です。
薬剤師としての知識と、パーソナルトレーナーとしての経験
そして「良い睡眠こそが明日のパフォーマンスをつくる」という考えをもとに
健康づくり、続けられるトレーニング、そして質の高い睡眠について
“明日の自分を整える”ヒントをお届けします。
さて本日は、
「コーヒーはカフェインだけじゃない、見落とされがちな“身体にいい成分”」
についてお話しします。
はじめに
コーヒーと聞くと、まず思い浮かぶのはカフェインだと思います。
眠気を覚ます。
集中しやすくなる。
仕事のスイッチが入る。
そんなイメージを持っている方は多いのではないでしょうか。
私もコーヒーは好きです。
朝に飲む一杯。
仕事の合間に飲む一杯。
少し気持ちを切り替えたいときの一杯。
コーヒーには、味や香りを楽しむだけではなく、日常のリズムを作ってくれるようなところがあります。
ただ、コーヒーの魅力はカフェインだけではありません。
コーヒーには、クロロゲン酸というポリフェノールの一種や、焙煎によって生まれるメラノイジン、トリゴネリン、ナイアシン、少量のミネラルなど、いくつもの成分が含まれています。
つまりコーヒーは、ただの眠気覚ましではなく、植物由来の成分や、焙煎によって生まれる成分を含んだ飲み物でもあります。
今回は、いつものコーヒーを少しだけ違う角度から見てみたいと思います。
本論
まず知っておきたいのが、クロロゲン酸です。
クロロゲン酸は、ポリフェノールの一種です。
ポリフェノールという言葉は、赤ワイン、チョコレート、お茶などでもよく聞くと思います。
植物に含まれる成分で、身体の中では抗酸化との関係で語られることが多いです。
抗酸化というと、少し難しく聞こえるかもしれません。
簡単に言えば、身体の中で起こる酸化に関わる反応を、必要以上に進ませないようにする働きです。
私たちの身体は、毎日使われています。
仕事をする。
歩く。
運動する。
食べる。
眠る。
考える。
ストレスを受ける。
そうした日常の中で、身体の中ではいろいろな反応が起きています。
酸化もその一つです。
酸化そのものがすべて悪いわけではありません。
ただ、疲れや睡眠不足、強いストレスが重なると、身体への負担は大きくなります。
だから、毎日の食事や睡眠、運動が大切になります。
コーヒーに含まれるクロロゲン酸も、そうした身体との関係が研究されている成分の一つです。
もちろん、コーヒーを飲めば健康になるという話ではありません。
健康は、一つの食品や飲み物で決まるものではありません。
よく眠る。
きちんと食べる。
無理のない範囲で身体を動かす。
自分に合う生活リズムを作る。
その中に、コーヒーという習慣がある。
私は、そのくらいの見方が自然だと思います。
次に、今回しっかり触れておきたいのが、メラノイジンです。
メラノイジンは、コーヒー豆を焙煎することで生まれる褐色の成分です。
パンを焼いたときの焼き色。
肉を焼いたときの香ばしさ。
味噌や醤油の深い色。
こうしたものにも関係する、メイラード反応によって作られます。
コーヒーのあの深い色。
香ばしさ。
苦味。
コク。
その背景にも、メラノイジンが関わっています。
つまりメラノイジンは、コーヒーらしさを作っている成分の一つです。
そして、このメラノイジンは、味や色だけでなく身体との関係でも注目されています。
代表的なものが、抗酸化作用です。
焙煎によって生まれるメラノイジンにも、抗酸化に関わる働きがあると考えられています。
もう一つが、腸内環境との関係です。
メラノイジンは、体内で完全に消化吸収されるというより、一部が腸まで届くと考えられています。
そのため、食物繊維に近い働きをする可能性があると言われています。
腸内細菌との関係。
短鎖脂肪酸との関係。
腸の健康との関係。
こうした分野でも研究されています。
短鎖脂肪酸とは、腸内細菌が食物繊維などを利用して作る成分です。
腸の状態や、身体の代謝との関係で注目されています。
メラノイジンを摂れば腸内環境が良くなる。
コーヒーを飲めば身体に良い。
そう単純な話ではありません。
腸内環境は、食事、睡眠、運動、ストレス、年齢など、いろいろなことで変わります。
コーヒーは、その中の一つとして見るくらいが自然だと思います。
ただ、毎日飲んでいるコーヒーの中に、こうした成分が含まれていると知ると、少し見方が変わります。
ただの黒い飲み物ではない。
ただのカフェイン飲料でもない。
豆を焙煎することで生まれる成分があり、香りや味だけでなく、身体との関係も少しずつ研究されている。
ここが、コーヒーの面白いところだと思います。
また、メラノイジンには、食後血糖や消化酵素との関係を示す研究もあります。
食後血糖とは、食事の後に血糖値がどのように上がるかということです。
糖尿病の方だけが気にするものと思われがちですが、実は日常の体感にも関わります。
食後に強い眠気が出る。
集中力が落ちる。
甘いものを食べた後にだるくなる。
こうした感覚に、血糖の変動が関わっている場合もあります。
もちろん、コーヒーだけで血糖をどうにかするという話ではありません。
基本は、食事の内容、食べる量、食べる順番、睡眠、日頃の活動量です。
ただ、コーヒーに含まれるメラノイジンのような成分が、こうした分野でも研究されていることは知っておいて良いと思います。
コーヒーは薬ではありません。
サプリメントでもありません。
でも、カフェインだけの飲み物でもありません。
ポリフェノールがあり、
メラノイジンがあり、
香りがあり、
苦味があり、
気持ちを切り替える時間があります。
身体のことを考えるうえでも、日々の習慣としても、なかなか奥行きのある飲み物です。
もう一つ、トリゴネリンという成分もあります。
あまり聞き慣れない名前かもしれませんが、トリゴネリンは、焙煎の過程で一部がナイアシン、つまりビタミンB3に変化します。
ナイアシンは、エネルギー代謝に関わるビタミンです。
身体を動かす。
頭を使う。
仕事をする。
疲れを残さない。
私たちは毎日、思っている以上に身体を使っています。
ただし、コーヒーを飲めばビタミン補給になるという話ではありません。
栄養の基本は、やはり食事です。
肉、魚、卵、大豆製品、野菜、海藻、穀物。
こうした普段の食事が土台になります。
コーヒーは、その代わりになるものではありません。
あくまで、日々の生活の中にある楽しみ。
その中に、身体に関わる成分も含まれている。
そのくらいの距離感が良いと思います。
では、コーヒーを飲むうえで気をつけたいことは何でしょうか。
まずは、飲む時間です。
カフェインは、人によって効き方が違います。
飲むと頭がすっきりする人。
心拍が上がりやすい人。
胃に負担を感じる人。
夜の眠りに影響しやすい人。
特に睡眠への影響は、軽く見ない方が良いと思います。
健康を考えるうえで、睡眠はとても大切です。
身体は、日中に使われ、夜に休みます。
眠っている間に、疲労を取ったり、身体を修復したりしています。
せっかく日中に良い生活をしていても、夜の睡眠が浅くなれば、翌日の調子にも影響します。
だから私は、コーヒーは「何杯飲むか」だけでなく、「いつ飲むか」も大切だと思っています。
朝の一杯。
昼食後の一杯。
仕事の切り替えとしての一杯。
このあたりは、取り入れやすいと思います。
ただ、夕方以降は少し気にした方が良いと思います。
寝つきが悪い方。
夜中に目が覚めやすい方。
眠りが浅いと感じる方。
こういう方は、午後の早い時間までにしておくのも一つの方法です。
もう一つ、鉄との関係も知っておきたいところです。
コーヒーに含まれるポリフェノールは、鉄の吸収に影響する可能性があります。
貧血気味の方。
鉄剤を飲んでいる方。
鉄を意識した食事をしている方。
そういう場合は、コーヒーを食事や鉄剤と少し時間を空けて飲む方が無難です。
コーヒーは身体に良い面もあります。
でも、万能ではありません。
良い面もある。
気をつけたい面もある。
この両方を知ったうえで、自分に合う飲み方を選ぶことが大切です。
ICHORA+の考え方も、少しそこに近いです。
一枚の服で人生が大きく変わるとは思っていません。
でも、肌に触れる時間が長いものを少し良くすることで、日々の快適さは変わります。
コーヒーも同じです。
一杯で劇的に変わるものではありません。
でも、毎日の習慣として考えると、気分や身体に与える影響は小さくありません。
まとめ
コーヒーは、カフェインだけの飲み物ではありません。
クロロゲン酸をはじめとするポリフェノール。
焙煎によって生まれるメラノイジン。
トリゴネリン。
ナイアシン。
少量のミネラル。
さまざまな成分が含まれています。
特にメラノイジンは、コーヒーの色、香り、苦味、コクを作るだけでなく、抗酸化作用、腸内環境、食物繊維に近い働き、短鎖脂肪酸との関係などが研究されている成分です。
ただ、健康に良い成分が含まれるからといって、たくさん飲めば良いというものではありません。
大切なのは、自分の身体に合う量とタイミングを知ることです。
・朝や昼に飲むと調子が良いのか
・夕方以降に飲むと眠りに影響するのか
・空腹時に飲むと胃に負担があるのか
・食事や鉄剤とのタイミングは問題ないか
・自分にとって楽しめる飲み方になっているか
貴方の身体で試しながら、自分にとってちょうど良い付き合い方を見つけてみてください。
健康づくりは、特別なことばかりではありません。
毎日の一杯。
毎日の食事。
毎日の睡眠。
毎日の服の着心地。
そういう小さな選択の積み重ねです。
今日のコーヒーを、ただの眠気覚ましではなく、身体を知るきっかけとして味わってみる。
それだけでも、いつもの一杯が少し違って感じられるのではないでしょうか。