筋トレは最強のメンタル薬─“心の安定”と“自己効力感”の科学
こんにちは
ICHORA+を展開してる代表の加々村です。
薬剤師、パーソナルトレーナーの経験を活かし
”健康・トレーニング”の情報を皆様にお届けしたいと思います。
さて、本日は
「筋トレは最強のメンタル薬─“心の安定”と“自己効力感”の科学」というテーマでお届けします。
はじめに
筋トレと聞くと、筋肉を大きくする、ボディラインを整えるといった“外見の変化”を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、実はトレーニングの恩恵はそれだけにとどまりません。
私が筋トレを続ける目的の一つは「心を整えるため」です。
追い込まれるようなスケジュールの中で、自分を見失わずに一歩ずつ前進していくために、筋トレは“最強のメンタル薬”として機能してくれています。
今回は、筋トレがメンタルに及ぼす科学的な効果と、日々を生きる力としての「自己効力感」を高める役割についてお伝えします。
本論
ストレスを“物理的に”処理する
ストレスとは本来、身体にかかる「外力」への適応反応です。現代のストレスはその多くが心理的なものですが、身体はそれを“物理的な脅威”とみなして反応します。
この「誤作動」をうまく処理する方法のひとつが、筋トレです。
たとえば、重いバーベルを担いでスクワットをするとき、身体は「戦うべき対象が目の前にある」と判断し、アドレナリンやエンドルフィンといったストレスホルモンの分泌バランスを整えます。
結果、トレーニング後には深いリラックス感が得られ、心がスッと静かになるのです。
これは、ランナーズハイと同じく「エクササイズ・ハイ」と呼ばれる現象にも通じます。特に筋トレは自律神経の交感神経を適度に優位にしつつ、その後の副交感神経の働きを高めてくれるため、乱れた自律神経を整える手段にもなり得ます。
自己効力感を鍛える
筋トレの最大の精神的効用は「自分で自分を変えられる」という感覚、すなわち“自己効力感”を高められることです。
目の前のバーベルを1kgでも重くできた、昨日より1回多くできた──その小さな積み重ねが「私はやればできる」という実感につながります。
科学的エビデンスも豊富に
筋トレとメンタルの関係については、数多くの研究が存在しています。
たとえば、2020年の米国精神医学会のレビューによれば、週2〜3回の筋力トレーニングは、うつ症状の軽減や不安の緩和に明確な効果があるとされています。
さらに、認知機能の改善や睡眠の質向上とも関係があることが報告されており、トレーニングは単なる肉体改造にとどまらず、“脳の栄養”とも言える働きをしているのです。
これは、脳内のドーパミンやセロトニンなど神経伝達物質の分泌を促すためと考えられています。
つまり、薬に頼らずに脳を整える手段として、筋トレは非常に有効なのです。
まとめ
筋トレは、単なるボディメイクや趣味ではありません。それは、自分を律し、心を整え、人生に軸をつくるための手段でもあります。
・ストレスを処理し、自律神経を整える
・「やればできる」を体感できる
・脳機能を高め、思考の質を向上させる
もし貴方が、最近気分の浮き沈みが気になる、モヤモヤして頭が働かない──そんな感覚を持っているなら、まずは5分だけでも良いので、体を動かしてみませんか?
たとえば腕立て伏せ10回からでも、自分を取り戻すきっかけになるはずです。
次回予告
次回は
「夏前に間に合う、効率的なダイエットの考え方──“食事×筋トレ×睡眠”の最適バランスとは?」をお届けします。
過度な食事制限や闇雲な有酸素運動ではなく、体脂肪を落としつつパフォーマンスを保つための戦略を、科学的な視点と私自身の実践を交えて解説します。
貴方の“本当に使えるダイエット知識”の整理に、ぜひお役立てください!
最後までお読みいただきありがとうございます。
では、また